新エースがチームを甲子園に導いた。二松学舎大付の左腕・辻大雅投手(3年)が、7回途中5安打1失点と好投した。

0-0の3回には2死三塁のピンチを迎えたが「ここで抑えないとチームは勝てない」とスイッチが入った。相手の3番打者を137キロ直球で左飛。その裏の先制へと流れを引き寄せた。

背番号1をつけたのはこの夏が初めて。1年の冬に左肘を疲労骨折し、約1年間投げられない日々が続いた。昨夏の甲子園は、スタンドから観戦。延長10回の末敗れた3回戦の京都国際戦、相手エースの同学年・森下瑠大投手を見て「同じ舞台で投げ合いたい」と、強く思った。

今春のセンバツ1回戦の聖光学院戦では、2番手で登板したが2/3回3安打2失点と打ち込まれた。「満足いくピッチングが出来なかった」。悔しさを胸に体重を4キロ増やし、球速もわずか4カ月ほどで最速129キロから143キロにまで上げた。

京都国際は27日に甲子園出場を決めている。昨年見たあの景色、今度は自分が結果を変えてみせる。【星夏穂】