第104回全国高校野球選手権(6日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選が3日、大阪市内で行われた。

3年ぶり10度目出場の北北海道代表・旭川大高は大会第5日(10日)第1試合でセンバツ優勝の大阪桐蔭(大阪)と対戦。3年前はヤクルト奥川擁する星稜(石川)相手に0-1で敗れた。またも難敵との初戦も、全員一丸で29年ぶり勝利を目指す。

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最強の相手に真っ向勝負を挑む。8番目に旭川大高・広川稜太主将(3年)が引いたのは「16B」の札。しばらく相手が決まらなかったが、42番目の春王者大阪桐蔭が隣の16Aを引くと、一斉に会場がどよめいた。3度目の春夏連覇を狙う難敵に決まり「正直驚いた。でも、どこが相手でも、自分たちのやってきたことを信じて戦いたい」と意気込んだ。

3年間担任の端場雅治監督(53)に、聖地1勝を届ける。広川らベンチ入り8人が3年5組の「端場組」だ。広川は「何とか監督に1勝を届けたい」。就任30年目の同監督は、夏の甲子園6度経験も未勝利。藤川擁する97年の高知商を皮切りに、前回の星稜奥川と6敗中4敗は、後にプロ入りする好投手擁する難敵だった。大阪桐蔭は148キロ右腕の川原嗣貴、松尾汐恩捕手(ともに3年)のプロ注目バッテリー始め、春センバツは大会新の11発で優勝と打線も強力。抽選直後に監督から「何やっているんだ」と冗談めかして言われたが、広川は「一番強い相手だが、勝利を目指す気持ちに揺らぎはない」と気を引き締めた。

監督の教えを聖地で生かす。広川は旭川大高に入って以降、18年に甲子園史上初のタイブレークで佐久長聖(長野)に敗れた最後のシーンを何度も動画でチェックしてきた。延長14回1死一、二塁、俊足の左打者が一、二塁間の深いところへ放った打球を二、一塁と送られ併殺に。同監督は「二塁手がしっかり踏み込み強く速い球を二塁に投げていた」。聖地での経験談を聞いてきた広川は、遊撃手として「体勢が悪くても踏み込んで送球する意識でやってきた。甲子園でも生かせたら」と思い描いた。

「旭川大高」として臨む最後の夏の甲子園。「この校名で1勝を達成したい。強い思いを持って臨みたい」。厳しく鍛えてくれた恩師とともに、大きな1勝をつかむ。【永野高輔】

◆旭川大高・端場監督 離されずに粘り強く何とか食らい付いていけたら。ここまでチームとしてやってきたことはあるが、相手があること。何か考えないといけない。