東北勢の甲子園初優勝を、帝京(東京)・前田三夫名誉監督(73)が祝福した。

仙台育英(宮城)とは1989年夏の甲子園決勝で戦い、延長10回の末に2-0で勝利した。帝京にとって、また前田監督にとって、初めての全国制覇だった。帝京・吉岡、仙台育英・大越の投げ合いは、高校野球ファンの語り草となっている。

「平成元年ですね。うちは、なんとか勝ったんですけど、みんな念願の優勝だと思います。東北の人たちもそうだし、我々、関東人も、全国の人も期待していたと思います。(東北勢が決勝に進むこと)13回目で達成できた。今までの執念が実りましたね」とたたえた。

今大会の仙台育英の戦いぶりについては「投手の枚数がいるから、攻撃陣は余裕を持てた。投手陣と攻撃陣の歯車が合っていた。バランスのとれた強いチームができました」と分析した。

東北勢の初優勝は、高校野球全体にとっても大きな意味を持つとみている。

「これで高校野球が面白くなりました。活性化していくと思います。今までは寒冷地だと言われてましたが、いやいや、どういう条件でも、どこの学校でも優勝のチャンスはある。高校野球は、これからどんどん発展していくのではないでしょうか」

期待を込めて力説した。