創部3年目の花巻東（岩手）は、「女子3大大会（選抜、選手権、ユース）」で東北勢初の日本一にあと1歩届かなかった。

前回覇者の神戸弘陵（兵庫）に5回まで無安打に封じられ、0－5で敗れて準優勝。22日の全国高校野球選手権（夏の甲子園）決勝で、東北勢初優勝を成し遂げた男子の仙台育英（宮城）に続く優勝旗の2週連続「白河越え」はならなかった。

花巻東は序盤から主導権を握られた。初回に2四球が絡んで2点を先制されると、2回に1点、4回にも2点を奪われる劣勢。攻撃では3回に1死二塁と初めて得点圏に走者を進めたが、尾形ハル内野手（1年）、佐々木秋羽（しゅう）内野手（1年）が連続三振に倒れた。6回には尾形のチーム初安打と佐々木秋の犠打で1死二塁としたが、後続が凡退。最終回の7回にも1死一、二塁のチャンスを作るも、右直併殺でゲームセットとなり、2安打完封負けした。

全国大会16強の最高成績からは大躍進となった。三鬼賢常監督（61）は「できれば白河を渡って、優勝旗を岩手に持って帰りたいという気持ちはあった。男子も準優勝が全国での最高成績。これから切磋琢磨（せっさたくま）して男子も超えて日本一を取れるようなチームを作っていきたい」と誓った。1番打者としてチームをけん引してきた佐々木秋は「すごくいい経験になったし、ここまで来られたのはチームが一丸となって戦えたことが一番大きかったです」と力を込めた。

花巻東の女子硬式野球部は、20年4月に13人でスタートした。同校OBのブルージェイズ菊池雄星投手（31）、エンゼルス大谷翔平投手（28）に憧れた少女たちが全国各地から入部。東北勢としては19年の選抜とユース大会で、ともに準優勝したクラーク仙台（宮城）に続く好成績を収めた。創部2年半足らずで全国の決勝舞台を経験。来年こそ男子もスローガンに掲げる「岩手から日本一」を達成する。