阪神が9日、20日のドラフト会議で1位候補にリストアップしている高松商・浅野翔吾外野手(3年)を訪問した。渡辺亮スカウト(40)、宮脇則昭編成ディレクター(53)が調査書を持参し、約30分、同校室内練習場で面談を実施。今夏、聖地で3発を放った甲子園のスターに練習環境などの説明を行った。浅野は予定されていたNPB10球団との面談を終えた。

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時折小雨がぱらつく高松商グラウンドに、阪神渡辺スカウト、宮脇編成ディレクターがやって来た。浅野にとって、NPB10球団目の大トリ面談だ。室内練習場で午前11時から約30分。25年2月から使用を目指す兵庫・尼崎の2軍新本拠地など環境面の説明も受けた。「施設が整っていると聞いたので、いいなと。夜中も(練習)できると聞きました」。イメージを膨らませるには十分な時間だった。

「横浜の場外ホームランのイメージが強いんですけど、なんであんなに飛ぶのか気になりますね」。香川で阪神戦の中継はほとんどないというが、佐藤輝の豪快スイングは知っている。仮にタテジマのユニホームに袖を通すことになれば「佐藤輝明選手にどうやってあんなに飛ぶのか(聞いてみたい)」。飛距離の秘密に興味津々だ。

阪神のイメージは「ファンが熱狂的」。屋島中時代には京セラドーム大阪でオリックス-阪神戦を観戦し、熱い応援を肌で感じたことも。さらに阪神といえば、と問われると「バース選手」と最強助っ人の名前を挙げた。「ゲームでめちゃ強いんですよ」。17歳らしい一面ものぞかせた。

今夏の甲子園大会初戦で2本塁打、4打点と大暴れした際、渡辺スカウトから「期待以上。右で浜風の中、あれだけ打てるのは彼の持ち味」と大絶賛された。すでにドラフト1位候補にリストアップされている。高校通算68本塁打の逸材は「やりやすさはあるんじゃないかなと思います」と本拠地の甲子園に明るいイメージを持つ。

10球団との面談を終え、「高校に入った時からプロを目指してましたけど、ここまでなれると思ってなかったのでうれしい」と言った。注目度は増す一方だが「注目されている中で打つ選手が、ほんとに良い選手」と引き締めた。運命のドラフト会議は20日で、巨人はすでに1位指名を公表している。その前に、中間テストを控える高校生はせわしなく教室へ。人事を尽くして天命を待つ。【中野椋】

◆浅野翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日生まれ、香川県出身。小学3年時に野球を始め、屋島中では捕手。中3時にU15日本代表に選出され、アジア選手権優勝。高松商では1年夏の代替大会からベンチ入り。外野手で2、3年夏の甲子園出場。甲子園通算4本塁打。U18W杯日本代表。目標の選手はアストロズのアルテューベ。170センチ、86キロ。右投げ両打ち。