報徳学園(兵庫1位)が智弁和歌山(和歌山1位)との打撃戦を制し、決勝に進んだ。堀柊那捕手(2年)が起点になって9点を奪った。3安打、1四球、3盗塁で大会通算14打数10安打、打率7割1分4厘とした。大阪桐蔭(大阪1位)はエース前田悠伍投手(2年)を温存したが5投手全員が140キロ台を計測し、龍谷大平安(京都3位)の反撃を振り切った。明治神宮大会出場をかけた決勝は5日に行われる。

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報徳学園・堀が出れば点が入る。「つなぎがしっかりできた、いい打線だった」と満足そうに振り返った。9回に3試合連続弾となる4番石野蓮授外野手(2年)のソロが出たが、堀はそれ以外の8得点すべてをチャンスメークした。

初回1死二塁から右前打で好機を広げ先制点を呼んだ。4回は先頭で四球&二盗で得点。6回は先頭でバント安打しホームイン。同点の8回も先頭で左前打。そこから4得点のビッグイニングが生まれた。

来年のドラフト候補になる強打の捕手。長打も魅力だが大角健二監督(42)は「強引にならずチーム打撃に徹した結果」と3番打者の献身的な働きに目を細めた。春に敗れた智弁和歌山に同じ球場でリベンジ。堀は「同じ相手に負けたくなかった。(決勝は)桐蔭が上だとみんな思っていると思うが、食らいつく」と頂点をにらんだ。16年ぶりの秋近畿制覇で報徳復活を印象づけるつもりだ。【柏原誠】

○…智弁和歌山主砲の中塚遥翔内野手(2年)が3試合連続アーチをかけるも、報徳学園に競り負けた。4点を追った8回、先頭で右中間スタンドへ高校17号。ただ中谷仁監督(43)は「4番なので。勝ちにつながる打撃ができなければ、結果を出してもというところ。監督、エース、4番は勝敗を背負ってほしい」と期待の大きさゆえの高い要望。中塚も「最後、あのような場面で1本出せるのが本当の4番。まだまだです」と、9回2死二塁で三振に倒れた打席を悔やんだ。