怪物スラッガーの記録が、ついに大台を超えた。プロ注目の花巻東(岩手)・佐々木麟太郎内野手(2年)が27日、神奈川県内で行われた年内最後の練習試合となる横浜隼人戦で、右越え2ラン、左中間2ランと2本塁打。高校通算本塁打記録とされる日ハム清宮(当時早実)の111本にあと5本と迫る、通算106本塁打として年内の公式戦、練習試合を締めた。

試行錯誤を続けている。10月11日に行われた東北大会初戦で敗退すると「バッティングに体作りと1から見つめ直し基礎から作りたい」と話した。練習試合では1打席ごとにフォームを変え、自分に合ったものを追求。「自分が打てなかったことがチームが勝てなかったカギだと思う」と敗戦の責任を一身に背負い、主将として勝利に導く一打を課題に、バットを振る。

新たな挑戦も始まった。東北大会後、一塁から三塁にコンバート。試合状況によっては外野もこなす。中2で捕手、中3は三塁手と投手。高校入学後は打撃を生かすために一塁手で出場していた。秋の県大会後にはケガも完治し、約1年ぶりに全体練習メニューを全てこなせるように。体もしぼり、動きは万全だ。

12日の久慈東(岩手)戦で右越え2ランを放ち通算100号に到達すると、20日からの1週間でさらに6本を積み上げた。

来春のセンバツ出場は絶望的で、この冬は来夏の甲子園を目指し練習を重ねる。以前「冬は、自分の弱さなど、1から見つめ直したい」とコメントしていた。弱さと向き合い、本当の自分を知り、強くたくましく生まれ変わった春を迎える。【保坂淑子】