今夏の甲子園でエースとしてチームをけん引した聖光学院(福島)の佐山未来投手(18)が、東京6大学野球の立大に進学。主将として同校を最高成績の4強に導いた赤堀颯内野手(18)が東都大学野球の国学院大、不動の3番打者として4割4分4厘をマークした安田淳平外野手(18)が中大にそれぞれ進学。聖光学院の名を関東でさらに高めていく。

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佐山は9月17日の東京6大学野球、立大-法大を観戦。「楽天のドラフト1位の荘司(康誠、22)投手をはじめ、投手陣のレベルが高い」と感じた。しかし、その試合は立大が本塁打2本を浴び「レベルが高い投手陣が相手でも、それを打ち崩す打力がある。投打ともにレベルの高いリーグだと思いました」。さらに周囲から立大の評判を収集し、成長の舞台に定めた。立大には今夏甲子園V左腕の仙台育英(宮城)斎藤蓉(18)も進学予定。「斎藤とは中学3年の全国大会でも一度対戦経験がある」。初戦で斎藤がいた酒田シニアと対戦し「その時は自分が勝った。高校では自分が負けて、大学で同じチーム。少し運命みたいなものも感じる」。全国でしのぎを削った相手とともに戦うことが決まり「一緒に野球できるのが楽しみです」と目を輝かせた。

19日の朝、目に飛び込んできたニュースが佐山の心を震わせた。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会決勝で、アルゼンチンがフランスとのPK戦に及ぶ激闘を制して優勝。「アルゼンチンの選手たちが泣いていた。その姿を見てすごくかっこいいと感じました。自分も国を背負って世界一になりたい」。同校から高校日本代表に選出された赤堀と安田からジャパンの話を聞き「うらやましいな」で終わっていた感情は「自分もなりたい」に変化。甲子園4強、国体準優勝と日本一にあと1歩届かなかった3年間を糧に、世界を見据えて日本を背負う投手を目指す。【濱本神威】

◆佐山未来(さやま・みらい)2004年(平16)8月5日生まれ。栃木県小山市出身。小1から大南学童で野球を始め、中学は東京神宮リトルシニアでプレー。聖光学院では2年秋から背番号「1」。今夏甲子園では2回戦と準々決勝で完投。エースとして5試合すべてに登板し、チームの4強入りに貢献した。173センチ、73キロ。右投げ右打ち。