ホームが遠かった。初出場の彦根総合(滋賀)が完封負けし、初戦で散った。一冬越して、打力アップに自信をもっていたが、それが裏目に出た。11三振を奪われ、3安打だけ。宮崎裕也監督(61)は「大振りが目立った。基本に立ち返れなかった。勘違いした。これがうちの甘さ、練習が甘かった。僕の不徳の致すところ」と厳しい表情だった。

宮崎監督は公立の北大津(滋賀)を春夏6度甲子園に導き、20年に彦根総合の顧問に就任し、チーム強化に努めた。翌21年から指揮を執り、センバツ切符をつかんだ。「北大津のデビュー戦も完封負けだった。励みになるけどね」。北大津での初出場は04年夏の甲子園。東北のダルビッシュに完封され、0-13で大敗を喫した。

4月からはWBCで活躍したヤクルト村上の恩師である九州学院(熊本)前監督の坂井宏安氏(65)が就任。総監督として野球部を指導する。親交のある宮崎監督は「どんどんアドバイスしてもらいたい。夏は本当の打撃のチームを作りたい。打撃だけじゃなく、全体を指導してもらうことになります」と期待した。「0」からのスタートで、甲子園初勝利を目指す。