麟太郎が清宮を超えていた。プロ注目スラッガー、花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)が1日、岩手・盛岡市にオープンした新球場きたぎんボールパークのこけら落としとなる記念試合・早実(東京)戦に出場。ダブルヘッダー(第2試合は5回制)で行われ、いずれも「3番DH」で先発も、計7打数1安打1打点1死球と、新球場1号はお預けとなった。

第1試合終了後、現在の本塁打数を聞かれた佐々木麟は「117本です」と落ち着いた口調で明かした。3月27日の練習試合・甲府城西(山梨)戦で到達。この日対戦した早実のOBで高校最多とされる清宮幸太郎(現日本ハム)の111本に同12日の大阪偕星学園戦で並び、同16日の大崎中央(宮城)戦で112本目を放ったという。それでも「本数は意識していない」と言い切り、「チームが勝つためにいいバッティングができればいい」と話す。

昨秋は主将を務めたが、「みんなに責任を持ってやってもらいたい」(佐々木洋監督)と、いち選手の立場に戻った。今冬の打撃練習中に左足かかとをひねり、この日はDHで出場も、本職の一塁以外に三塁、捕手に挑戦中だ。すべては今夏の甲子園に出るため。これまでもこれからも、プレーで、声出しで、チームの先頭に立つ。【山田愛斗】