智弁学園(奈良)の松本大輝外野手(3年)が1本塁打を含む3安打1打点。サイクル安打まであと単打のみの活躍で、大阪桐蔭を撃破する立役者となった。

初回、先頭の松本は右越え三塁打を放ち、3番中山優月(3年)の右前適時打で先制のホームを踏んだ。2回には大阪桐蔭・平嶋桂知投手(2年)の1ボールからの2球目直球を右翼スタンドへと運んだ。8回には左中間への二塁打。安打が出ればサイクル安打達成となる9回は直前で打順が回らなかった。

2回の本塁打は「まっすぐにタイミングを合わせていて、まっすぐが来たので思いっきり振り抜いた。入った瞬間すごくうれしかった」と笑顔。サイクル安打は「気にしていなかった」と謙虚だった。小坂将商監督(45)も「松本が勢いをつけてくれた」と2回までに5点を奪う立役者になった1番打者をたたえた。

松本は2学年上の先輩で、同じ左打ち外野手の阪神・前川右京(20)を目標としている。高校時代、2人は自主練習も一緒にしていたという。その中で特に印象に残っているのが「ファーストストライクで自分のスイングをしろ」というアドバイスだ。

以前は見逃してストライクを取られることが多かったが「迷わず初球から振っていくのはアドバイスをもらってからできるようになりました」と振り返り、この日もファーストストライクをとらえ、本塁打につながった。小坂監督も「よう似た感じ」と認める存在で、まさに「前川2世」だ。「将来的には同じステージでプレーしたい」と、先輩の背中を追い続ける。