<高校野球兵庫大会:滝川二9-5明石南>◇15日◇3回戦◇明石トーカロ球場

滝川二の最速149キロ右腕、坂井陽翔投手(3年)が5回無失点リリーフ&タイブレーク決勝打でチームの救世主となった。2点ビハインドの6回裏、右翼を守っていた坂井が今大会初登板した。服部大輔監督(37)が「流れがグッと変わった」と振り返った言葉どおり、5イニングを7奪三振1安打無失点で重苦しい流れを断ち切った。

登板が決まったのは5回裏。「早々に投げる番が来るかなと思っていたので、やっぱり来たなと。本当は投げる予定はなかったんですけど。いつでも投げられますよと準備はしていました」。交代出場で女房役を務めたのは主将の田村武琉捕手(3年)。「僕が1番信頼している捕手。小学校から一緒にやっているので、何を考えているかは大体分かる」。信頼のバッテリーで守備の要となった。

打っては延長10回、左中間に決勝の適時二塁打を放つなど5打数3安打1打点。「考えてしまうと身体が固まってしまうので、シンプルにバットを出すことだけを考えました。変化球を狙っていた」と冷静な打撃でも存在感を見せた。

普段から短距離のダッシュ、メディシンボールやハードルを使ったトレーニングで瞬発力を鍛えている。「本調子ではないが、上がっていっている状態」。次に向けてさらなる上積みに自信をのぞかせる。パワーの源は母の料理。「一番好きなのはカレー。大会期間中はほとんど週に1回は食べていて、昨日も食べた。甘口が好きです」と笑顔で返した。

この夏の目標については「必ず全員で甲子園まで行くこと」。プロ注目右腕は「こういう苦しい試合を経験して、学ぶことも多かったと思う。これからの試合に生かしたい」と力強い。【原田竣矢】

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