慶応の2年生エース小宅雅己(おやけ・まさき)投手(2年)は、聖地で公式戦初完封し、決勝の舞台へ導いた。

打たせてとるピッチングで、9回を118球7安打5三振。2回裏2死二塁には、先制適時二塁打を放った。「まっすぐを狙っていい感じにセンターオーバーしてくれた」。

7回には先頭打者に出塁を許し、2死には相手がこの試合初めて三塁を踏んだ。「焦ったりはなかったです」と冷静にしのいだ。

帽子のつばには、中学時代の恩師に教えられた「必笑」を刻み、“エンジョイベースボール”をうたう慶応のエースとしてマウンドに立つ。「ピンチや終盤は(表情が)硬くなると思うんで、怖い顔をしているよりは、笑った方が多分守備も楽になる」と味方野手陣への影響も考える。

森林貴彦監督(50)は、「できれば小宅の負担を少なくして」と決勝までの構想を描いていたが「2点差で次の投手にってプロみたいな継投は…。今日は2点を守るのは負担が大きい」と最後まで小宅に託した。全国制覇まで、あと1つだ。【中島麗】