高崎健康福祉大高崎(群馬1位)が、山梨学院(山梨1位)に逆転負けで、3年ぶりの決勝進出を逃した。

1点ビハインドで迎えた3回裏。2死満塁から森山竜之輔内野手(2年)の中前適時打で同点に追いついたが、7回に勝ち越された。

先発の石垣元気投手(1年)は試合後、涙が止まらない。「神宮を目指していたので…。自分のせいで負けて、先輩たちに申し訳ないです…」と、話すと、大粒の涙が頬をつたった。

汚名返上のマウンドだった。初戦の鹿島学園戦で先発するも7回5失点。8回から、ダブルエースの1人でエース番号をつける佐藤龍月投手(1年)にマウンドを譲った。「佐藤頼みの投球になってしまって。今日は…気合を入れて投げたんですが…」と振り返った。

1球1球に気持ちがこもった。140キロ台前半の真っすぐを軸に真っすぐと変化球をストライクゾーンに投げこんだ。「今日は球が走っていた」と5安打3失点で公式戦初完投。自己最速を2キロ更新する147キロを記録。9回表には、三者三振に打ち取り、奪った三振は9。「カットとスライダーで振らせることができました」。手応えをつかんだ投球だったが、7回、2死二塁からボール球になったスライダーを捉えられ勝ち越し打を許した。「力が入ってしまいました…」と、1球の失投を悔やみ、涙した。

青柳博文監督(51)は、「石垣はよく投げてくれました。今日は冷静に、球も走っていた。この投球が春に続けば」と、敗戦にも若きエースに期待を込めた。

課題は明確だ。「スタミナはついたと思いました。この冬は、しっかり食べて体を作りたい。今は71キロ。80キロを目指します」。『1年生ダブルエース』と呼ばれたが、秋は背番号10だった。「春はエース番号をつけたいです」。涙に春の成長を固く誓った。