日本高野連は8日、第96回選抜高校野球大会(来年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠候補の9校を発表した。秋季北海道大会4強の別海や、54年夏以来の甲子園出場がかかる水戸一(茨城)などを選出した。21世紀枠は前回大会までの3枠から1減の2枠に。来年1月26日の選考委員会で、一般選考29校、神宮大会枠1校とともに最終決定される。

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偏差値73の水戸一は、2年生の世代の入学試験から導入された特色選抜組が加わった。特色選抜では身体能力を測るテストの他、関東大会出場などスポーツに秀でた選手を募った。エースの小川永惺(ひさと)投手と主将の津田誠宗内野手(ともに2年)は特色選抜組。木村優介監督(39)は「軸になる選手が増えた」と制度の手応えを感じている。

県内トップである進学校のグラウンドは他部と共用で、野球部だけで使えるのは月に1回だけ。平日の練習は午後4時半から同7時の2時間半のみだが、短い練習時間を有効活用し、今秋の県大会では52年ぶりの4強入りを達成した。

授業を終えた部員たちは速足で練習の準備に取りかかる。津田主将は「6限目が終わってから練習に来るまでの時間を1秒でも短く。少しでもグラウンドでボールに触れるように」と時間にシビアだ。今年11月には、野球部専用のウエートルームがグラウンドの真横に完成した。木村監督は「体育館にもあるんですけど、行ったり来たりって時間がもったいないので」と、野球に費やす時間を少しでも増やすために設置した。

新チーム発足時からの目標は「甲子園出場」。文武両道を地で行く伝統校が、初めての春切符を待つ。【佐瀬百合子】