第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場32校を決める選考委員会が行われ、21世紀枠には別海(北海道)と田辺(和歌山)の2校が選ばれた。

別海は昨秋の道大会4強。中道航太郎捕手(2年)が札幌ドームでの高校生初本塁打となるサヨナラ弾を放つなど、選手16人ながら劇的に勝ち上がった。

生乳生産量が日本一の酪農の別海町で、牛の数は人口の8倍以上。マネジャー含め19人いる野球部員のうち、乳牛牧場などの酪農家で育った部員は7人。東京23区より広い面積の町の各地から通学し、冬場はビニールハウスの中で練習するなど鍛錬を積んでいる。

島影隆啓監督(41)は普段から家業のコンビニエンスストア「セイコーマート しまかげ中春別」の副店長を務め、毎日午前3時に起きている努力家だ。かつては武修館(北海道)の監督を務め、甲子園に手が届くところまで実績を高めたが、志半ばでの退任に。故郷別海で部員4人から再始動し8年目になる。

21世紀枠候補となり「甲子園は僕の中では行かなければいけない場所。こんないなかの子どもたちがあんな大舞台に行けるなんて人生を変えると思うので」と願っていた。その夢がついにかなう。

別海の校舎から本土最東端の根室市・納沙布(のさっぷ)岬までは、車で1時間20分ほど90年夏の中標津を抜き、甲子園出場校としては春夏通じて最東端の高校になる。【金子真仁】

【センバツ】選考委員会で出場32校決定/速報