星稜(石川)が被災した地元に白星を届けた。第96回選抜高校野球大会が18日に甲子園で開幕。21世紀枠の田辺(和歌山)との1回戦で、同点の9回、背番号20の代打東汰生(ひがし・たいせい)外野手が右前に2点適時打を放った。公式戦初打席初ヒットが値千金の決勝打。能登半島地震により被災を経験した伏兵が、初の大舞台で光り輝いた。

星稜ナインの応援に、地元・石川から応援団がアルプス席に駆けつけた。吹奏楽部、チアリーディング部、野球部の控え部員、一般生徒で編成された応援団が三塁側アルプスに陣取り、甲子園でおなじみの楽曲で選手を後押し。吹奏楽部の中には、七尾市の自宅が全壊し、親戚宅に身を寄せている部員も。吹奏楽部顧問の下村健治教諭は「今日は通常授業日。それでも公欠になるので応募したら、このぐらい来てくれました」と語っていた。