青森山田・対馬陸翔外野手(3年)は4回の第2打席、実戦で初めて木製バットを折った。折られた分をしっかり、取り返した。

2点を先制された直後の8回1死満塁、広陵・高尾のスライダーをバットの先で右翼へ飛ばした。バットを折られたのと似たような球。「基本的にずっとアウトコースで攻め続けられていたので、初球そこらへん来るかなと思っていたので、アウトコース狙って変化球だったので、しっかりボールの方向に逆らわずに打つことができました」と振り返った。貴重な同点打になった。

新機軸の低反発バットは打感が合わず、もともと自主練習で使っていた木製バットを選んだ。「あまり迷いはなかったです。自分が打ってチームが勝てれば、木製を使っても大丈夫かなと思って」。

木は「折れやすいし、痛い」という。でも大会前の練習試合では木でも本塁打を放つなど、順応してきている。1回戦は890グラムの鈴木誠也モデルで、この日は870グラムの森友哉モデル。試行錯誤しながら結果を出している。

中堅守備でも9回にダイビングキャッチに成功し、タイブレークの延長10回は三塁側への送りバントが見事に安打に。もちろん、バントも木製で練習してる。「(従来の)金属バットより打球も死にやすいので」。直後に4番原田がサヨナラ犠飛を放った。

10本持ち込んだバットが1本折れ、残りは890グラムが8本と870グラムが1本。「次は今と同じ軽いので行って、もう1本折れたら前のに戻そうと思います」。頂点まであと3勝。木を貫く。【金子真仁】

【センバツ高校野球 ライブ速報】はこちら>>