高崎健康福祉大高崎(群馬)が報徳学園(兵庫)を下し、悲願の甲子園優勝を果たした。同校は春夏通じて初優勝で、センバツでは群馬県勢としても初優勝となった。

この日は初回にミスも絡んで2点を先制されたものの、5番森山竜之輔内野手(3年)の2点適時二塁打ですぐさま同点に。3回には3番高山裕次郎内野手(3年)の適時打で勝ち越した。

投げては2試合連続先発の石垣元気投手(2年)が2回以降は粘り、試合を作った。勝負どころでは140キロ台中盤もマーク。再三のピンチを乗り切った。

同校は群馬・高崎市にある私立校で、00年度までは群馬女子短大付属という女子校だった。01年に共学化し、野球愛好会が誕生。青柳博文監督(51)が02年に監督就任し、正式に野球部に昇格した。

足を使った攻撃スタイルを始めた。「最初は選手もなかなか集まらないし、足をつかってやる以外になかったんですよ。打てないので、1つの攻撃パターンとして作って」。それが“機動破壊”のフレーズで高校球界に認知され、強豪校の仲間入りを果たした。

青柳監督は就任22年目。「選手は本当にいいと思うんですよ。中学時代の実績からいえば全国でも屈指のチームで、タレント軍団って言われて。うまくかみあえば日本一になれる力はあるかもしれません」と大会前に話していた。その同校史上最強軍団をともに作り上げてきた仲間の1人、赤堀佳敬コーチ(30=4月から磐田東監督)が健大高崎で指導する最後の日。全てが結実した。【金子真仁】