<高校野球福島大会>◇13日◇開会式

 開会式の内野スタンドは、出場校の生徒や選手の保護者らでいっぱいとなり、「がんばろう、日本」と書かれた青いうちわが揺れた。入場行進は放射線対策として省略されたが、観客は手拍子で選手を迎えた。

 選手は学校ごとに入場し、グラウンドに整列。震災で部員不足に陥った双葉翔陽、富岡、相馬農の3校が結成した「相双連合」は、ユニホームはばらばらながら、「相双」の文字が入ったそろいの帽子で入場。アナウンスにはひときわ大きな拍手が起こった。主将の遠藤剛司(18)は「鳥肌が立った」と笑顔で話した。

 いわき海星高から出場する孫を見に来たという同県いわき市の片寄栄一さん(74)は「グラウンドに並ぶ孫の姿を見ると、開催できてよかったと思う」とうれしそう。

 一方、外野の芝生席は、開会式前の測定で放射線量の最も高かった外野に近いためか、観客はまばらだった。