明治神宮野球(高校)で1回戦を突破した鵡川(北海道)が17日、準々決勝で東京地区代表の国士舘と戦う。ベンチには5投手が待機している。豪打のイメージが強い現チームだが、実は投手全員がストレートの最速135キロ超とエース級の実力派。初出場の03年(8強)を上回る4強を、投手陣の差で勝ち取る。

 先発全員の18安打で突破した1回戦(対日本文理)の次は、豊富な投手陣の力で勝つ。試合のなかった16日、佐藤監督は「投げたくてうずうずしているやつばかりで困ったよ。迷ってるんだ」と、ぜいたくな悩みを打ち明けた。

 今回は5人の投手をベンチに入れている。砂川北時代を含め甲子園5度出場の佐藤監督も、全国に5投手で臨んだことはなかった。おまけに全員が最速135キロ以上の球を持ち「みんな他の私立でもエースになれる力がある」という。打力もある柳田、阿部康は外野手としてもレギュラー。駒大苫小牧が初優勝した04年夏の甲子園では6投手を登録したが、今回の鵡川は質的にはその上をいく。

 秋季全道大会はエース西藤と石井の2人だけで戦い抜いた。だが3番手の柳田も球速は最速142キロとエースに負けていない。唯一の左腕の阿部康、大きなカーブが持ち味の高地と、全員調子がいい。明大グラウンドでの練習だったこの日は、5人全員ブルペンで投げ込んだ。誰もがスタンバイ状態だ。

 柳田は佐藤監督に「投げたいのか?」と聞かれ「はい!」と即答。高地は毎朝1時間早起きして10キロ走り込んでいる。1回戦で146キロを投げた西藤も「疲れはない。次も行きたい」と意欲満々だ。「お互い、負けられないという意識があり、いい競争状態になっているな」と指揮官。果たして誰が行くのか。先発は会場入りしてから言い渡される予定だ。【本郷昌幸】