<全国高校野球選手権:金沢4-2聖光学院>◇12日◇2回戦

 金沢(石川)は釜田佳直投手(3年)が好投し、聖光学院(福島)に競り勝った。

 好敵手を撃破したその右腕を、天に突き上げた。2点リードの2死満塁。金沢・釜田は147キロで最後の打者を打ち取った。昨夏8強の聖光学院、しかも歳内に投げ勝ち「本当に良いライバル。試合を楽しみたかった」と喜びをかみしめた。

 捕手だった御幸中1年の06年夏だ。釜田は早実-駒大苫小牧の決勝再試合を仲間4人と観戦した。ピンチでも動じない早実・斎藤佑樹(日本ハム)の勇姿を脳裏に焼き付け、投手を志願した。動画検索サイトで研究する日々で、徐々に投手らしくなった。この日は失策絡みで先制点を献上も「ピンチでも冷静にいられた」と言い切った。

 甲子園球場近くの素盞鳴(すさのお)神社に「“日本一”、金沢高校、この夏日本一の投手になる。2011、8、8」と記した絵馬を奉納した。8安打10奪三振は歳内の6安打14奪三振には及ばない。だが「勝てる投手が良い投手」。152キロ右腕が、今大会の主役を張る。【佐藤貴洋】