<高校野球兵庫大会:長田3-1高砂>◇24日◇5回戦◇高砂市野球場

 兵庫大会で、進学校の長田が2年ぶりの8強入りを決めた。前年度は京大に25人、阪大に39人、神大に43人…。関西の国立大を中心に、県内随一の進学率を誇る県立校が快進撃。強さの秘訣(ひけつ)は永井伸哉監督(40)お手製の「野球参考書」だ。

 「彼らは参考書を読むのは得意でしょうから。練習時間が短い分を効率よく補えるように」と、筑波大時代の恩師・功力靖雄氏の「アマチュア野球教本」を参考に、4年ほど前に作成。走塁、打撃、守備体形などジャンルに分けて製本したものを部員に配布した。冬場には勉強会も行った。

 この日の同点劇でも、「参考書」の力が発揮された。1点ビハインドで迎えた8回2死一、三塁で一塁走者が盗塁を狙った。タイミングはアウト。そこで三塁走者の開田雄喜内野手(3年)が「(一塁走者の)スタートが遅れていた。ここで行くしかない」と好判断で本塁を陥れた。永井監督も「普段から意識しているプレーです。いいスタートを切ってくれた」と目を細めた。

 前回の8強入りは学校の創立90年の年だった。今年も創部90年の節目の年だ。「90年の歴史を背負って」を合言葉に、長田旋風は続く。【山本大地】