<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇5日◇大阪国際会議場

 「がばい旋風」の再現だ!

 第94回全国高校野球選手権(8日開幕・甲子園)の組み合わせ抽選会が行われた。全国制覇した07年以来の出場となる佐賀北(佐賀)は初日の第3試合に仙台育英(宮城)と対戦する。5年前も同じ初日に登場し、勢いに乗って頂点へ駆け上がった。今年も先輩に負けない快進撃を目指す。

 神様のイタズラか、それとも吉兆か。佐賀北の本村祥次主将(3年)が引いたのは初日のクジだった。「引いたときは、初日かあ、と思いました」と笑顔を見せた。全国制覇した5年前も、初戦は同じ初日。頂点まで駆け上がった当時の再現へ期待が膨らんだ。

 百崎敏克監督(56)は前回、開幕日にバタバタを経験しているだけに苦笑い。「笑うしかないですね」。5年前は初戦が開幕ゲームで、開会式の雰囲気を味わう余裕もなかった。「開会式はゆっくりしたいから、開幕試合だけはひいてくるなよと言っていたんですけど」と振り返った。

 対戦相手は春の東北大会準優勝の仙台育英。「まず体が違うなと思いました。でも体格の差はあるけど、体力や技術は負けてないと思います」と本村主将。佐賀大会5試合を9人で戦い抜いてきたチームワークと堅実な野球で5年ぶりとなる甲子園の勝利を目指す。

 開幕戦から駆け上がった5年前の経験から「前回ほどの驚きはない。開会式に合わせて調整してきたので戸惑いはないですね」と百崎監督は落ち着いている。「先輩たちのことは気にしないでいきます」と本村主将はきっぱり。佐賀北ナインが2012年、甲子園に再び旋風を巻き起こす。【前田泰子】

 ◆07年夏の佐賀北

 開幕戦で福井商と対戦。左腕馬場から右腕久保のリレーで8安打無失点に抑え、3番副島の大会1号本塁打などで2-0として甲子園初勝利。2回戦は宇治山田商に延長15回引き分け再試合で勝ち、前橋商、帝京、長崎日大、広陵を破って優勝した。94年夏に優勝した佐賀商も開幕戦からスタートした。