<高校野球静岡大会:沼津商2-1下田>◇24日◇3回戦◇焼津球場

 沼津商が延長戦の末、下田を下し1967年以来、47年ぶりにベスト16に進出した。1点差の9回裏に3本の短打で同点に追いつき、11回裏には相手捕手のパスボールでサヨナラ勝ち。9回途中から登板した結城隆輔投手(3年)の好リリーフが勝利につながった。

 あっけない幕切れだった。延長11回裏2死二塁。パスボールで捕手がボールを見失っている間、二塁走者の大竹貴之内野手(3年)が一気に生還、47年ぶりベスト16に進出した。相手の正捕手が走者と激突、ドクターストップで10回に交代するハプニングもあり、塩川光史監督は「相手投手を攻略した勝ちではない。最後は(代わった)捕手のところだったし、申し訳ない気持ち」と複雑な心境を吐露した。

 走塁ミスで数多くの好機をつぶす負け試合のような流れの中、うれしい誤算は3番手で登板した結城投手の好投だった。公式戦登板は昨秋に8球だけ。それでも5月の下田との練習試合で好投したことで、塩川監督は9回無死一塁のピンチの場面を結城に託した。その後も毎回走者を背負いながらも、要所で三振を奪い、3回を3安打8奪三振と粘投。チームのサヨナラ勝ちにつなげた。

 結城は「今回の登板は、自分でもビックリして戸惑った」と笑い「スライダーがよかった。秋はピンチの火に油を注ぐ投球でコールド負けしていたけど、今回は点を取られても裏に取り返してくれると思ったので、のびのび投げることができた」と振り返った。塩川監督も「あの子があれだけ投げるとは…」と目を細めた。4回戦では島田商と対戦する。【岩田千代巳】