<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇6日◇フェスティバルホール

 奇跡同士の対戦で幕を開ける。静岡は大会第2日の10日第2試合で石川・星稜との対戦が決まった。予備抽選により42校目にくじを引いた岸山智大主将(3年)は「奇跡のチーム同士」と口にした。選手はこの日は完全オフで、今日7日から練習を再開する。対戦校も決まり、静岡がいよいよ出陣の準備を整える。

 岸山が「奇跡のチーム」と口にした。その心は…。

 岸山

 自分たちは再試合から勝ち上がってきた。相手は9回0-8からあきらめない粘り強いチーム。奇跡のチーム同士ですね。

 石川大会決勝での劇的な勝利から、一躍注目を集める存在となった星稜。岸山は「ほとんど埋まっていたのであまりものですね」と話したが、組み合わせが決まった瞬間、観客席で見守った仲間からは笑顔も見られた。

 対戦校の希望は特になかったが、試合日についてはこだわりがあった。抽選直前に岸山は「第4日あたりがいいですね」と話していた。開幕の第1日は避けたい-。栗林俊輔監督(41)も同意見だったため、「開幕は除いて早いほうがいい」と指揮官は語った。

 落ち着いた口調で話していた岸山だったが、だんだんとスイッチが入ったようだ。「(9回の再現は)難しいとは思うが何が起こるか分からない」。甲子園の舞台でもこれまで続けてきた野球を行うだけだ。長打力があるわけでもないので、堅い守りと少ない好機を逃さない集中力を強調した。「やってきたことをやり通す」。

 台風11号の接近が予想されるが、日程変更も経験済みだ。県予選の初戦も1日順延だった。岸山は「(仲間から)開幕だけはやめてくれと言われていた。くじを引いたのは自分なので、文句を言うなと言います」と話した。今日7日からは試合に向けての練習を再開する。対戦校分析も合わせて行う。「勝てればいい」。岸山はそう力をこめて、会場を後にした。【加納慎也】