<高校野球東千葉大会:成田3-2館山総合>◇13日◇2回戦

 ロッテの注目ルーキー唐川から背番号「1」を引き継いだ男、成田(東千葉)のエース安村武将投手(3年)が11回を投げ抜き、初戦を突破した。135球を投げ被安打7の2失点。11三振を奪う力投だった。それでも安村は「50点です。しっかり投げていれば打たれなかった。バックに感謝しています」と振り返った。

 延長11回表に2点目を失った。その裏、打線が驚異的な粘りをみせた。1死から9番の宇佐見徹右翼手(3年)の左前打を皮切りに、1点を返すと、なおも一、三塁の場面で武藤永介左翼手(2年)が右中間を破り劇的なサヨナラ勝利を挙げた。安村は試合前、尾島治信監督(39)から「お前と心中する」といわれた。その言葉に応えようと「奮投」するエースに、打撃陣も刺激され、つかんだ勝利だった。

 安村は昨年のエース唐川の活躍に刺激を受けながら比較される立場にもある。「自分は唐川さんのようなスピードのある投手じゃないです」という。球速で及ばないことを自覚、その分緩急をつける投球を磨いてきた。唐川は昨夏、5回戦で東海大浦安に0-1で敗れた。「先輩に追いつけ、追い越せ」。安村の挑戦が始まった。