<高校野球宮城大会:一迫商2-1気仙沼>◇22日◇準々決勝

 一迫商は、石森昌樹投手(3年)の完投で気仙沼を2-1で下し、5年ぶりの4強を決めた。

 一迫商の石森が頭脳を生かし、同校を5年ぶりの4強入りに導いた。5安打1失点の133球完投。1安打で完封した前回志津川戦に続く好投の裏には“予習”の効果があった。

 相手の気仙沼は、前回の宮城広瀬戦までの4試合で28盗塁。1試合平均7盗塁の機動力を発揮していた。データに注目した石森は「(熊谷)監督も『足を使ってくる』と言っていたので、けん制主体で投げました」。走者を抱えるたびに何度も一塁へけん制球を投じ、相手機動力をわずか1盗塁に封じた。2回と5回には女房役の星昌利捕手(2年)が二盗を阻止したが、石森は「いつも刺してくれないのでありがたいです」と苦笑いで感謝した。

 熊谷健太郎主将(3年)が「練習中も常に研究熱心で、感心します」というほどの石森。「授業中に先生の話を聞いていれば頭に入る」という、その頭脳が生きた。次の準決勝は強豪・仙台育英。「左打者が多いので、アウトコースを中心に投げていきたい」。秀才右腕は、同校初となる夏の甲子園出場に向けて、早くも決勝への青写真を描いていた。