<高校野球福島大会>◇10日◇1回戦

 福島大会では11年ぶりの夏の甲子園を目指す学法石川が、18安打の猛打で13-5であさか開成を撃破、大勝発進した。

 学法石川自慢の「バットマン」たちが暴れまくった。追いつ追われつのシーソーゲームを7回表に6-5と勝ち越すと8、9回は一方的に突き放した。内角の胸元への速球も、外角に逃げる変化球も苦にしない。きっちりとミートし、ボディーブローのようにジワジワと攻め立てた。18安打も長打は3本だけ。つないで奪った13得点に、伊東美明監督(24)は「苦しい試合でしたが、連打で点が取れると思っていました。よく打った」とナインをたたえた。

 夏の大会までわずか1カ月と迫った6月9日、コーチだった伊東氏が監督に就任した。春季県大会出場を逃した課題は攻撃面。練習方法にてこを入れた。30分のフリー打撃は、バットの重量を変えながら行った。最初の10分は1キロ、次の10分は金属よりやや重い木製で、最後の10分でようやく金属製を使って打ち込む。軽くしていくことでスイングが楽になり、余計な力が入らない。添田大樹主将(3年)は「今では金属バットが軽く感じる」とこの日の2安打で効果を証明した。

 夏は県内最多9度の甲子園出場を誇るが、11年も聖地から遠ざかっている。添田は「絶対に行けると信じている」と表情を引き締めた。「学石」が猛打で復活ののろしを上げた。【湯浅知彦】