かつて日本で活躍した外国人選手の「日本プロ野球外国人OB選手会(JRFPA)」が、この11月で創立1周年を迎えた。元日本ハムのカルロス・ミラバル氏(46)が代表理事を務め、元近鉄のラルフ・ブライアント氏(58)、元横浜ホエールズのカルロス・ポンセ氏(60)、ロッテやソフトバンク等で7年プレーしたホセ・オーティズ氏(42)ら懐かしの外国人が所属し、日本でイベント開催やファンとの交流を行っている。

会を立ち上げたのは、実は選手OBではなくプロ野球の熱心なファンだったウィリアム・ブルックスさん(43)だ。フロリダ州生まれ、ボストン育ちでもともとはレッドソックスファンだったが、仕事のため18年前に来日してから「レッドソックスに似ている」という理由で阪神タイガースにはまり、数え切れないほど甲子園球場に通った。「投資、不動産関係の仕事をしていて、野球とはまったくかかわりがありませんでした。ただ、野球にたくさんお金を使ってきたというだけ(笑い)。新幹線代、チケット代、グッズ代にですね」。外国人虎党というユニークなキャラとはいえ「完全にファン目線でプロ野球を見ていただけでした」という。

しかし、日本で暮らす外国人として、外国人選手にはシンパシーと強い思い入れがあった。外国人は「助っ人」と呼ばれ、どうしても日本人選手や日本のファンと距離があるように感じた。退団して米国に戻れば、多くの選手は日本とのかかわりがほぼ切れてしまう。それはあまりにも寂しいと、ブルックスさんは考えていた。あるとき日本プロ野球OBクラブのスタッフだった砂原元さんらと知り合い「外国人選手のOB会がなぜないのか」と語り合ううちに、自分たちで創設しようと決意。しかし何のつてがあるわけでもなく、最初はFacebookなどのSNSで片っ端から探しては連絡を取るという、手間のかかる作業によって一からスタートした。発足当時の会員は25人だったという。

自ら営業に歩き、外国人OB参加のイベントやビジネスも次々と決めた。今夏、近鉄ファンに人気のブライアント氏を日本に招いて行ったファン交流会は大成功。シーズン終盤に阪神のメッセンジャー投手が外国人投手の最多タイ記録である通算100勝目を達成すれば、近鉄と阪神で通算100勝を達成しているジーン・バッキー氏を日本に招待する計画もしていた。メッセンジャーは通算98勝のまま9月13日に引退を発表し、バッキー氏は翌14日に故郷ルイジアナ州の病院で急逝するという不幸があり、計画は幻に終わった。だが外国人OBと日本のファンや球団との懸け橋として実績を作り、規模も拡大して11月1日時点で125人の外国人OBが加入している。「1年で100人が目標だった。これが僕の日本での最後のミッション」。志を果たした“虎党You”は、外国人OB会創設者という誇りを胸に、いずれ米国に帰る予定だという。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)