ア・リーグ西地区でライバル関係にあるエンゼルスとマリナーズの「明暗」が、あの一戦を機に、明確に浮かび上がってきた。
あの一戦とは、6月26日の両軍対決(アナハイム)のことで、故意死球を巡り、大乱闘に発展し、エンゼルスのフィル・ネビン監督代行をはじめ、多数のコーチ、選手らが処分された。大乱闘がキッカケとなったかどうかは定かではないが、結果的に、翌日以来、エンゼルスが4勝11敗(7月14日終了時)と急降下したのに対し、マリナーズは11連勝を含む14勝2敗と快進撃を続け、ポストシーズン争いに食い込んできた。
実際、投打の歯車がかみ合わないエンゼルスは、いよいよ「大谷でしか勝てない」状況になってきた。大谷が登板するたびに「連敗ストッパー」として白星を挙げる以外、覇気が伝わって来ないような試合が続き、借金は最大「12」まで膨れあがった。
4月を14勝8敗と西地区首位でスタートし、5月15日には貯金を最大「11」まで積み上げた当時、14年以来8年ぶりのポストシーズン進出への視界は良好、のはずだった。ところが、6月7日、名将ジョー・マドン監督を解任して以来、求心力を失ったチームは、球団史上ワーストの14連敗を喫しただけでなく、その後も黒星を重ねた。そのあげく、退場覚悟と受け取られても仕方のない、「スターター」を起用しての故意死球騒動。負傷した救援右腕ブラッドリーが長期離脱するなど、単なる乱闘にとどまらず、チームとしての方向性や一体感がボヤけてしまうのも、ある意味で当然だった。
一方のマリナーズは、大乱闘で結束力が高まったわけではないだろうが、11連勝中(14日まで)、6試合が1点差勝ちと、驚異的な粘り強さを発揮。最大「10」だった借金を完済し、一気に貯金「6」まで盛り返した。サービス監督も「とても楽しみな集団。我々みんなが、毎晩、必死に戦っている」と、01年以来21年ぶりのポストシーズンへ自信をのぞかせる。
シーズンは162試合の長丁場だけに、どのチームも多かれ少なかれアップダウンは避けられない。ただ、今季のエンゼルスの急降下と、マリナーズの快進撃はあまりにも対照的。全日程終了後、両チームの選手たちは「あの一戦」をどう思い起こすのだろうか。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)




