カブスのダルビッシュ有投手(33)が13日(日本時間14日)、本拠地でのブルワーズ戦に先発し、7回1死までノーヒットの快投で今季3勝目(1敗)を挙げた。ソロ本塁打だけの7回1安打1失点の11奪三振。今季最多の104球で、防御率は1・88。カ軍は3連勝で貯金を10まで伸ばした。

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<ダルビッシュの投球>

この日のダルビッシュは、最速98マイル(約158キロ)の速球から72マイル(約116キロ)のスローカーブまで、最大42キロ差がある10種類以上とも言われる球種を投げ分けた。近年のダルビッシュといえば各2種類のカットボールとスライダーが軸。しかし、この試合は早いカウントで130キロ前後のナックルカーブを使い、145キロ前後のスプリットを多投した。「僕の場合、スプリットの変化が不安定で、カットしたり、縦に落ちたり、シュート気味だったり、落ちないでそのまま伸びたりする。スプリット1つで右打者が迷っている感じ」。

カットボールとスライダーに頼りすぎると、横変化の同系統の球種でもあり、比較的対応はしやすい。だが、そこに速い縦回転のナックルカーブと、変幻自在のスプリットが混ざれば、打者は的を絞れなくなる。「目線も変わるし、向こうが嫌がり始めてるのかなと思います」。劇的な急速差と、多種多様な変化軸。ダルビッシュの投球の幅は間違いなく、世界最高レベルと言っていい。【MLB担当=四竈衛】