盟主ヤンキースが白熱した戦いの末、宿敵レイズに競り負け、地区シリーズで敗退した。

4回にジャッジのソロ本塁打で先制したものの、5回に同点に追い付かれ、8回にクローザーのチャプマンが決勝ソロを浴びた。

2014年に楽天からヤンキースへ移籍した田中将大投手(31)にとって、今季は7年契約の最終年。コロナ禍でキャンプが中断され、公式戦が60試合に短縮された変則シーズンだったが、開幕前の練習中、頭部に打球を受けた影響で調整が遅れたため、手探りの状態のままシーズンがスタートした。それでも10試合に登板し、3勝3敗、防御率3・56と、先発としての役割を全うした。その一方で、ポストシーズンでは2試合に先発して0勝1敗。最終的に、納得のいかない形で2020年を終えた。

試合後は、オンライン会見に応じ、淡々と短いシーズンを振り返った。

「まだ正直、シーズンが終わってしまったことを実感していないというか、受け入れられてないのが実感です。みんなベストを尽くして戦ったと思いますが、その中でポストシーズンに関しては、なかなか消化しがたいものだったと思います。イレギュラーで特別なシーズンでしたが、今後の野球人生において、大きな1年だったと思います。最後、結果は出ませんでしたが、いろいろな手応えも感じ始めていましたし、ステップを1つと言わず、何段も上げていけるようなオフシーズンにしていきたいと思います」。

今後は、ワールドシリーズ終了後にFA(フリーエージェント)となり、ヤンキースをはじめ、その後は他球団との交渉が可能となる。

「この7年間でワールドシリーズ制覇、チャンピオンリングを取ることはできませんでしたが、一選手、一人間として、言い表せないほどたくさんのものを学ばせてもらいました。FAは初めてのことなので、どうなるか分かりませんが、プレーしている時と同じように、悔いのない選択をしていきたいです」。

昨季まで6年連続で2桁勝利を挙げ、メジャー屈指の安定感を持つ田中は、今オフの先発市場でもトップランク。ヤンキースを含め、多数の有力球団が参戦することになりそうだ。