MLBはロックアウトが続いている。分かりにくい今回の論争を「MLB労使紛争の争点を探る」と題し、ニッカンスポーツコムで紹介する。第4回は「プレーオフ出場チーム数」について。
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21年のMLBは、プレーオフに10球団が進出した。ア・リーグ、ナ・リーグのそれぞれ東、中、西地区の優勝球団で6球団、この他に各リーグで優勝球団を除いた勝率1位、2位の球団で合計4球団が加わった。
MLB機構側は、プレーオフ出場球団数を14に拡大する案を希望しているという。ポストシーズンの出場球団数が増えれば、試合数も増え、チケット収入やテレビ放映権も増大が期待できる。ほぼ2球団に1球団は進出できるため消化試合が減り、優勝をあきらめてチーム再建にシフトするチーム(タンキング)の減少にもつながるという。
選手会側は拡大する球団数は12を主張しているようだ。なぜ、14より少ないのか? 多くのチームがプレーオフに進出できると、公式戦で多くの勝利を稼がなくても済む。このため、球団がフリーエージェントの選手など、高額年俸の有力選手獲得に多額の資金を投入することをためらう可能性を懸念しているようだ。
コロナ禍でシーズンが短縮された20年には、16球団でプレーオフが行われた。各地区の勝率1、2位球団で12球団。これに各リーグの3位以下で勝率上位の2球団で合計4球団だった。全30球団なので、半分以上がプレーに進出した。ブルワーズ(ナショナルリーグ中地区4位)は公式戦で29勝31敗と負け越しながらの出場だった。この年の経験も、プレーオフ進出チーム数増加の議論を加速させたとみられる。
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日刊スポーツのMLB担当記者が「プレーオフ出場チーム数」について話し合った。
記者A「長くポストシーズンに進出していないチームに進出のチャンスも出てくるし、そういうチームのファンにとっては朗報ですね。エンゼルス大谷翔平投手(27)が昨季MVPに選ばれた時に何人もの米国人記者が『次はオオタニがポストシーズンでプレーする姿を見たい』と語っていました。実現のチャンスが広がりますよね」
記者B「データサイトFangraphsの独自予測システムZiPSによる今季予想は、エンゼルスが地区2位でしたよ。その通りなら今季にも実現するかも?」
記者C「マリナーズの21年ぶりのポストシーズン進出も見たいですね。ZiPSの予想ではエンゼルスと1ゲーム差の4位でした」
記者A「しかし14チームは多すぎるような気も。コロナ禍で特別に16チームのプレーオフにした2020年は借金持ちが2チーム進出して、ほぼ5割に近いというのも2チームくらい出ました。14チームだと5割前後のチームが進出する可能性もあるし、シラケるファンもいるでしょう」
記者B「MLBが提案したフォーマットでは、各リーグの勝率トップが第1シードとなり、最初のシリーズが免除されるようです。選手会は出場チーム数が多すぎると補強を怠る球団が出てくると懸念していますが、以前よりも勝率トップのメリットが大きいため、シーズン中の移籍がさらに活発化するとの見方もあります」
記者C「選手会の執行委員を務めるメッツのシャーザー投手は、10チーム進出の今のフォーマットが、ポストシーズンの最初から最後まで厳し戦いを勝ち抜く状況になるので一番いいと言っていて、本当は拡大したくないようですね」



