<ドジャース2-3ダイヤモンドバックス>◇1日(日本時間2日)◇ドジャースタジアム

 【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)=千葉修宏】左脇腹を痛めて故障者リスト(DL)に入っていたドジャース黒田博樹投手(34)が、約2カ月ぶりに戦列復帰した。ダイヤモンドバックス戦に先発して5回3安打2失点。打線の援護がなく、今季初黒星となったが、トーリ監督は「クロダはよく投げた。満足している」とガッチリ握手を交わした。

 約2カ月ぶりのマウンド、そして昨年9月20日以来のドジャースタジアムの歓声が心地よかった。パドレスとの開幕戦(4月6日、サンディエゴ)に勝利して以来の先発となる黒田だが、最速95マイル(約153キロ)と球威は完全復活。2回こそ制球を乱したが、徐々に調子を上げて5回3安打2失点にまとめた。

 ほぼ予定通りの86球で5回を投げ切ると、戻ったベンチではトーリ監督の固い握手が待っていた。黒田は「当然プレッシャーはありました。ただ投げ終わった後はチームの一員としてマウンドに上がれたことの充実感、うれしさがありました」とナインと野球ができることの喜びを表現した。

 5回裏の打席で代打を送られ、今季初黒星がついたが、首脳陣は黒田を高く評価した。トーリ監督が「彼はよく投げた。ただ最近、打線が湿っていて援護ができていないからな」と言えば、ハニーカット投手コーチも「力強さ、球速が戻った。投げ急いでしまった部分はあるけど、キレのある変化球で6三振を奪った。次はもちろん土曜日(6日=フィリーズ戦)に投げさせる」と明言した。

 2回の2失点もマウンドを重ね、試合勘が戻れば解消される問題だ。連続四球で走者を出し、8番打者に適時二塁打を打たれた。黒田は「ちょっと慎重になりすぎていた部分もありましたし、もう少し大胆に行くところは行かないといけない」と四球を反省。そして「8番を歩かせれば次は投手だった?

 後から考えるとそういう選択もあったと思いますけど、そこまで余裕がなかった」と説明した。

 広島時代から人一倍「チームのため」という思いが強く、そこがファンの共感を呼んだ。この日も最後は「やっぱりチームの勝ちにつながらないと、僕1人でやっているわけではないんで、すごく残念です」と表情を引き締めた。それが「開幕投手」を務めた男の意識の表れだった。