<ドジャース2-4マリナーズ>◇28日(日本時間29日)◇ドジャースタジアム

 【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)=四竈衛、木崎英夫通信員】マリナーズのイチロー外野手(35)が、11試合連続安打をマークした。初対決となったドジャース黒田博樹投手(34)から第2打席に二塁内野安打を放ち、攻略の突破口を開いた。この日は5打数1安打。自己新となる8試合連続マルチ安打は逃したが、マ軍の連勝に貢献した。一方の黒田は、6回1/3を投げて8安打4失点。4敗目(2勝)を喫した。

 黒田との対決となった第1打席、イチローには10年前の残像があった。オリックス時代の99年3月22日、オープン戦で3打席対戦し、2打数1安打1四球。当時は長身から繰り出す直球主体のイメージがあったという。しかしこの日は、初球フォークを投げ込んできた。「あの初球はフォークだと思うけど、いきなり来たんでビックリしましたけど。あれがベストピッチでしたね。僕の中では日本人には珍しいパワーピッチャーのタイプだと思ってたんで。でも、やっぱ変化球ピッチャーという印象ですよ」と、遊直に終わった久々の対決を振り返った。

 第2打席では持ち味を発揮した。二塁ベース寄りに転がす35個目の内野安打で、連続試合安打を11とした。この一打で黒田のリズムを崩し、3点を追加した。「上原はすごく細く見えたけど黒田は思ったより体が丸く見えた。もっとシャープなイメージだったけど、僕の中では。なんかいろいろイメージが違ってて。面白いな」と、メジャー2年目右腕の印象を口にした。。

 自己ベストの8試合連続マルチ安打がかかったが、あと1本が出なかった。「勝手にやってくださいというとこですね」と無関心を装った。記録は止まったが、最近8試合で37打数20安打、打率は5割4分1厘。好調を維持する打撃について「ほか(の時期)とそんなに変わらないですけどね」と涼しい顔で話す。微動だにしない気持ちと技術を平衡に保つイチローに、不安材料は見当たらない。(木崎英夫通信員)