<マーリンズ3-7ドジャース>◇9日(日本時間10日)◇サンライフスタジアム

 ドジャース黒田博樹投手(35)がマーリンズ戦で今季初登板し、相手を圧倒する投球で1勝目を挙げた。メジャーでは3年連続でシーズン初登板勝利となった。

 8回2死一塁、ファウルで粘るカントゥにシンカーで内角を突くと、空を切った。ちょうど7個目の三振はジャスト100球目。6回まで打線の援護がなく、味方の守備の乱れで走者を得点圏に進める厳しい状況の中、顔色を変えることなくテンポよく投げ続けた。

 スライダーの切れとシンカーの制球がさえ、3回までに5奪三振。4回以降は省エネ投球で内野ゴロの山を築き、8回5安打1四球1失点(自責0)で勝利投手となった。今季8回まで投げたのは両リーグ合わせて3人目。トーリ監督は「それだけ投げさせても大丈夫だと思った。安定感抜群だった」と信頼を寄せた。

 はるか海を越え、広島時代に世話になった巨人木村拓也内野守備走塁コーチ(享年37)へ思いをはせて立ったマウンドだった。「1日1日、野球人として毎日ユニホームを着てグラウンドに立てるということをまた改めて感謝しないといけない。拓也さんがそうやって教えてくれたことかも」と、胸中を明かした。そして得た最高の勝利だった。(マイアミ=水次祥子)