<エンゼルス0-5ドジャース>◇1日(日本時間2日)◇エンゼルスタジアム

 【アナハイム(米カリフォルニア州)=四竈衛】ドジャース黒田博樹投手(36)が、約1カ月半ぶりに白星を手にした。エンゼルス戦に先発し、7回3安打無失点の快投。打線も5点をサポートし、5月17日以来、8試合ぶりの白星となる6勝目(9敗)を挙げた。

 試合後、柔らかい表情で過ぎ去った時間を振り返った。過去7戦は好投を続けながら、リーグ最低の援護(計6得点)や拙守の影響もあり、勝ち星から見放された。「打たれて勝てないのとは違い、自分の頭の中で整理できなかった」。プロ15年目のベテランでも、目に見えない負のサイクルは、対処のしようがなかった。

 験直しの願いを込めて、試合用のグラブやスパイクを新調した。登板間や試合前のブルペンでは、過去4年間一定してきた36球から1球減らして広島時代の35球に変更した。「それで(流れが)変わるわけもないですが、自分の中では消化不良だった。アメリカに神社があれば(厄払いに)行ってました」。試合後こそジョークで笑い飛ばしたが、精神的には追い詰められていた。

 長いトンネルを抜け、防御率はチームトップの2・90。ペナント争いから脱落しそうなド軍をよそに、補強を狙う上位球団の注目度は高まる一方だ。「また次が大事。しっかり調整するだけ」。ホッとした表情でも、黒田の口調は力強かった。