【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)30日(日本時間31日)=四竈衛】ドジャース黒田博樹投手(36)が残留を決めた。31日のトレード期限を前に、ヤンキース、レッドソックス、レンジャーズなど複数の上位球団が獲得に乗り出していたが、全球団への拒否権を持つ黒田が移籍しない意思を固めた。

 悩み抜いた末の結論だった。ここ数日は「眠れなかった」と言うほどで、この日の起床後に最終決断。昼食時に代理人と話し合い、球団側に伝えた。「プレーオフの魅力はあったし、葛藤はあった。ただ、昨年契約した時、1年間は(ド軍で)やると決めたし、その原点に戻りました」。今季の黒田は、防御率3・11と好投を続けながら打線の援護に恵まれず、6勝13敗。ド軍は優勝争いから脱落し、オーナー夫妻の離婚問題を機に経営難に陥るなど、1年契約の黒田が移籍を選択する可能性も十分だった。一時は移籍へ傾いた時期もあったが、最終的にド軍への愛着が上回った。

 残留決定を受けて、ド軍側は早くも来季の契約更新に前向きな姿勢を見せた。コレッティGMは「難しい決断だったと思う。4年間、秀逸な活躍をしてきたし、契約延長は彼の気持ち次第」と、黒田の意思を最大限に尊重する考えを明かした。昨オフ同様、FAとなるため、日米両国での争奪戦になることは必至。今オフ、黒田は再び重大な決断を迫られることになる。