<ドジャース8-5パドレス>◇8月30日(日本時間31日)◇ドジャースタジアム

 夏男のベストシーズンが到来した。ドジャース黒田博樹投手(36)が月間5勝と4連勝のメジャー初物ずくめで、昨季に並ぶ自己最多の11勝目を挙げた。今季2勝0敗のパドレス相手に5回まで2安打無失点。8-0の6回に3ラン、ソロと連続本塁打を許したが「1点取られただけでも負けたりしていたので、たまにはこういう勝ちもないと、精神的にちょっと持たないかな」と、素直に喜んだ。

 2回に自ら3年ぶり打点となる先制の押し出し四球を選ぶなど、大量8点の援護をもらった。一方でパ軍先発スターファーがこの回7四球と苦しんだように、球審の判定が辛く両軍合わせて計16四球の乱戦。黒田も「審判と合わなかった。点差が点差なので、余計にコースを狙うのが難しかった」と狭いストライクゾーンに頭を悩ませながら、2四球に収めたのは制球を身上とする男らしかった。

 クオリティースタート(6回を投げて自責点3以下)を逃したのは7月6日以来、9試合ぶり。その間も好投報われず4連敗を喫し、一時は黒星が7個も先行したが、この4試合は計32点の援護があり、ようやく打線とかみ合ってきた。

 ド軍移籍後は計11勝5敗と、暑い8月を最も得意にする。公式戦はまだ残り1カ月あり、勝利数の他にも防御率2点台、初の200投球回など、自己ベストを狙える位置につける。「前半負け続けていた時から考えれば、まさかここまで来られるとは思っていなかった」と欲しかった勝ち運を味方につけ、次回登板でメジャー通算40勝に挑む。