巨人は5日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を行い、今秋ドラフトの上位指名候補として約30選手をリストアップした。最上位のAランクは6人程度で、仙台大・熊原健人投手(4年=柴田)と富士大・多和田真三郎投手(4年=中部商)が入った。両右腕は、8日に開幕する全日本大学野球選手権大会に出場する。東北が誇る本格派をスカウト陣が総出でチェックする方針を固めた。

 巨人が熊原と多和田に熱視線を送っている。会議を終えた山下スカウト部長は「今年はAランクの選手が少ない。指名が重複するのではないか」と概要を説明。1位指名については例年通り、ドラフト本番直前まで吟味を続ける方針を強調した。「今の時点の評価」と前置きした上で、「多和田、熊原」の名前を最初に挙げた。

 ともに直球は150キロオーバーで、初速と終速の差が少ない。変化球の扱いも巧みで、完投能力が極めて高い。即戦力であると同時に伸びしろも期待でき、チームの柱となりうる。今年に入り各球団の評価が総じて上がっているアマ球界屈指の素材。マークを外すわけにはいかない。

 他のAランクとしては、高校生では県岐阜商・高橋純平投手と東海大相模・小笠原慎之介投手(ともに3年)。大学生投手では明大・上原健太投手(4年=広陵)。大学生野手では明大・高山俊外野手(4年=日大三)と慶大・谷田成吾外野手(4年=慶応)の名前が挙がる。全国区の好選手に玄人好みの逸材を加え、調査を深めていく。

 ◆熊原健人(くまばら・けんと)1993年(平5)10月19日、宮城県角田市生まれ。柴田では1年秋からベンチ入り。高校での最高成績は2年春の県4強。仙台大では2年春からベンチ入りした。14年春はリーグタイ記録の1試合19奪三振をマークするなど、4勝を挙げて優勝に貢献した。同年秋はリーグ史上13人目のノーヒットノーランを達成。リーグ戦通算11勝3敗。178センチ、79キロ。右投げ右打ち。

 ◆多和田真三郎(たわた・しんさぶろう)1993年(平5)4月13日、沖縄県中城村生まれ。中部商では1年秋からベンチ入りし、3年夏の沖縄大会準優勝。富士大では1年春からリーグ戦に登板し、通算32勝8敗。1年秋の神宮大会・国際武道大戦でノーヒットノーランを達成。182センチ、81キロ。右投げ右打ち。