優勝までマジック6と秒読み段階のソフトバンクにまた新たな戦力が加わる。右肘手術から復帰したブライアン・ウルフ投手(34)が明日13日の楽天戦で今季初登板、初先発する。

 豪雨の影響で試合が中止となった11日は、コボスタ宮城でキャッチボールなどで調整。武田に向かっていきなりレスリングをしかけるシーンも。世界大会16連覇の吉田沙保里のようなタックルで倒すなどリラックスした表情も見せた。

 右肘を故障した昨年5月18日オリックス戦以来のマウンドとなる。「今のところは準備できています。お客さんが多い前で投げるのは久しぶりだから力が入ると思うけど、うれしいよ」と、投げることが待ち遠しい様子だった。

 昨年6月に自身2度目の右肘内側側副靱帯(じんたい)損傷の再建手術を受けた。今季は米国で孤独なリハビリを続け7月に来日。2軍で7試合に投げ、防御率1・17と成績を残した。球速も150キロを超えるところまで回復。前日10日に札幌ドームのブルペンで投球を見た工藤監督は「球威はあったよ」と話す。

 今季は第7の助っ人の立場だが、来日6年目で日本通算39勝と実績十分。調子がよければクライマックスシリーズの秘密兵器になる可能性も十分だ。CSはシーズン同様、出場選手登録を1度抹消すると10日間は再登録できない。今季9勝6敗のスタンリッジ、同8勝0敗のバンデンハークとライバルは多いが、候補の1人として名乗りを上げるか注目だ。【石橋隆雄】