ソフトバンク松田宣浩内野手(32)が9日、海外FA権の行使を表明した。この日、自らの署名付きで書面を公開。メジャー挑戦に心が傾いたことを明らかにした。国内他球団と交渉する考えはなく、メジャー移籍か残留の選択肢に絞り、侍ジャパンで出場中の「プレミア12」終了後に熟考に入る。米球界ではパドレスが獲得調査に本腰を入れており、海の向こうでプレーする可能性が出てきた。

 松田が野球人生で大きな決断を下した。この日、代理人を通し、海外FA権行使の必要書類を球団に提出。メジャー挑戦か残留の選択肢に絞り、FA宣言することを表明した。今の心境を表した書面を公開。米球界に向けられた思いがにじみ出ていた。

 「年齢的にも技術的にも厳しいことは分かっていますが、短い野球人生、悔いのない決断をするために自分の評価を知りたいと思い、あえて、海外FA権を行使しようと決意しました」

 今季は35本塁打、94打点の自己最多記録を更新し、精神的支柱としても、チームの2連覇に貢献。充実したシーズンを送った。その名声は海を越え、パドレスが獲得調査に本腰を入れていることが判明。しかもメジャー契約の好待遇を用意している模様だ。そんな動きを報道で知り、さらにメジャー経験者の言葉もあり、憧れに過ぎなかったメジャーとの距離は縮まった。

 「移籍のためというより、自分自身のプレーがメジャー球団からどのように見られているのか、自分がメジャーでプレーできる可能性があるのかを探ってみたいと思ってのことです」

 移籍ありきのFA宣言ではないことを強調したが、高い評価を得られれば、海を渡ってプレーする可能性は十分にある。また松田は「仮にFA権を行使しても、ホークス残留という選択をすることもできると言って頂き、深く感謝しています」と宣言残留を容認する球団の配慮を神妙に受け止めた。現在は侍ジャパンのメンバーとして、「プレミア12」に出場中。去就に関する話題は封印し、プレーに集中する考えだ。長いシーズンを終えた後から、本格的にメジャー移籍を検討していく。【田口真一郎】