球界の松ちゃんになる! 中日ドラフト3位のトヨタ自動車・木下拓哉捕手(23)が4日、愛知県豊田市のホテルで仮契約を結んだ。契約金6500万円、年俸1000万円。

 アマではムードメーカーとしても“活躍”してきた、とにかく明るい木下。正捕手への誓いを立てる中で、引き合いに出したのはお笑い界だった。「松ちゃんは何を言っても面白い。ああなったら楽だと思う。長くいる人はバラエティーで活躍している」。

 ボキャブラリー、リアクション、空気を読む力…。技術や経験に裏打ちされた地力を身につけるのが目標。お笑い界なら、まさにカリスマ松本人志だ。「送球に例えるなら、肩の強さよりも精度だったりトータルが大事」と力を込めた。

 「大学時代にはM-1グランプリを見て勉強した」と話し、「滑らない話」「IPPONグランプリ」などスマートな笑いを競う番組を好む。最近は野球に打ち込み「趣味はありません」と話す23歳も「水曜日のダウンタウン」だけは欠かさず見ている。

 正捕手不在の中日では、ポスト谷繁の期待を受ける。思えば3021試合の日本記録を樹立した名捕手も「あいつがいるだけでイヤだ」と“顔”で相手には重圧を、味方には安心感を与えてきた。木下の目指す選手像と重なる。

 「スローイングを含めた守備には自信がある。ちゃらちゃらしていては信頼は勝ち取れない。ひたむきに、笑いは抜きに勝負していきたい」。安心してください、一発屋で終わるつもりはありませんよ-。【柏原誠】

 ◆木下拓哉(きのした・たくや)1991年(平3)12月18日、高知市生まれ。旭東小2年から投手として野球を始める。高知で2年夏、3年夏に甲子園出場。法大では3年秋に東京6大学ベストナイン。トヨタ自動車では正捕手として昨年の日本選手権優勝に貢献。50メートル走6秒5。遠投120メートル。183センチ、92キロ。右投げ右打ち。家族は両親と姉、兄。