目標達成で祝杯を挙げる! 日本ハムのドラフト3位、井口和朋投手(22=東農大北海道オホーツク)が7日、泡盛の一升瓶を持参して2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷の「勇翔寮」に入寮した。大の酒好きだという右腕に、沖縄出身の大学の先輩からプロ入りを記念して贈られた記念の一品。シーズン中は禁酒を貫き、ルーキーイヤーで1軍定着を果たせれば、来オフに泡盛の栓を抜くことを誓った。この日は、ドラフト1位の上原健太投手(21=明大)ら、全8選手が入寮した。

 重厚感たっぷりの一升瓶を、井口は笑顔で抱えていた。漆黒のボトルに金色の文字で「井口和朋」とデザインされた一品の中身は、泡盛だった。入寮に合わせて持ち込んだ、大事な発奮材料の1つだった。「沖縄出身の大学のOBの方から、いただきました」。昨年12月に大学時代に春季キャンプを行っていた沖縄で自主トレ。その際に沖縄出身のOBからプロ入りを祝って特注ボトルを贈られた。

 たまらないサプライズプレゼントだった。井口は自他共に認める酒好き。暴飲はしないが、友人と3人で一晩に日本酒の一升瓶2本を空けたことがあるという。東農大北海道オホーツクの硬式野球部員約80人の中でも「(酒豪として)同期の中で5本の指には入るんじゃないですか。シーズン中は飲みませんが、オフに実家に戻った際は毎日飲みますね」。一番好んでいるのは麦焼酎。もちろん泡盛もいける口だが、「今は飲むことは考えていません。何かしらの結果を残して、今年の終わりには飲みたい」と、目標達成のご褒美に設定した。

 ルーキーイヤーの目標は1軍定着だ。「まだ想像も付かないんですけど、1年目は1軍のレベルの高さを知りたい。そのために、1軍でいっぱい投げたい」。即戦力右腕として、先発でも中継ぎでも首脳陣が期待する場所ならどこでも投げるつもりだ。

 この日は、22歳の誕生日だった。節目の日にプロ野球選手としての第1歩を踏み出した。「新しいスタート。この1年間を最高の1年にしたい。いろいろなことを経験したい」。同大の伝統的な応援スタイルである「大根踊り」も即興で披露。「初めてやるんですけど…」と照れながらも、度胸の良さも発揮した。北海道で成長した期待の最速149キロ右腕。大好きなお酒は一時封印するが、がむしゃらに1年目を駆け抜けた先に泡盛での祝杯が待っている。【木下大輔】