巨人が誇る剛腕コンビの穴を埋めたのは、雪辱に燃える右腕2人だった。5連投中だった沢村、マシソンを休養させる方針の中、先陣を切ったのは宮国。同点の5回から登板し、「腕を振っていこうと思った」と今季最長の3イニングをパーフェクト。1点リードの8回には西村が無死満塁の大ピンチを招くも、後続3人をピシャリ。今季初登板だったが、最速151キロの速球は威力十分だった。

 ともに、開幕は2軍だった。宮国は右肩痛で出遅れ、4月中旬に昇格したが、前回登板の5月28日の阪神戦では9回に痛恨の2者連続本塁打。雪辱のマウンドで今季初勝利を挙げた。西村にとっても、大事な登板だった。昨年9月の右肘クリーニング手術を乗り越え、昨年3月28日DeNA戦以来の1軍マウンド。3軍からはい上がった男は「緊張しっぱなしでしたが、ホッとした」と話した。

 ラストを締めたのは、鉄腕山口だった。9回を3人で料理。「大事な場面で抑えられて良かった」と安堵(あんど)したが、「いつも、2人(沢村、マシソン)がしんどい場面で頑張っている。今日は自分たちが」と心は熱かった。高橋監督は「一番の勝因」と宮国の好リリーフを評価。「3人がよく頑張ってくれた」とたたえた。【久保賢吾】