虎の隠し玉は高山のセンパイ!! 阪神が20日のドラフト会議の指名候補としてJX-ENEOS・糸原健斗内野手(23=明大)をリストアップしていることが12日、分かった。俊足巧打の内野手として、下位での指名を検討する。明大では高山の1学年上の先輩にあたり、金本監督好みのガッツマンタイプだ。最速149キロ右腕のつくば秀英(茨城)の長井良太投手(3年)も下位候補でリスト入り。今秋は育成枠で大量指名する計画も判明し、幅広く戦力を見極める。

 阪神が「元気印」の指名を検討している。俊足巧打の右投げ左打ち内野手で、社会人野球のJX-ENEOSに所属する糸原に注目し、これまでもスカウトを派遣するなど、動向を追ってきた。球界関係者は「とにかく元気な選手。リーダーシップも取れるし、おとなしいイメージがある阪神にはいいかもしれない」と説明する。チームを統率できる精神力の強さが、何よりのセールスポイントだ。

 グラウンドでの勝負強さも光る。5、6月に行われた都市対抗西関東予選では本戦出場こそ逃したが、2番三塁で4試合に先発し、18打数11安打、打率6割1分1厘。特に5月24日は5打数5安打をマークし、1本塁打2二塁打の大暴れで8打点を刻むなど、パンチ力も示していた。島根・開星でも甲子園に出場して活躍。力量は、ひそかにプロから注目を集めていた。

 また、今季、球団の新人シーズン安打新記録となる136安打を刻んだ高山の1学年上で、明大のチームメートだった。3番高山、4番糸原のラインアップも組んだ。秋の神宮大会では創価大・田中正義投手(4年=創価、当時2年)から適時打も放つなど逆方向に強い打球を打てる広角打法が魅力の好打者だ。

 将来有望な高校生投手もリスト入り。最速149キロ右腕のつくば秀英・長井は高校から投手を始めた変わり種だ。瞬く間に球速アップし、阪神も注目する。今夏の茨城大会2回戦で敗れたが、伸びしろ十分で、昨秋ドラ4望月のような成長を見込む。

 阪神は今秋ドラフトの1位指名有力候補に最速156キロ右腕の創価大・田中を挙げる。また、野手の最上位として、日大・京田陽太内野手(4年=青森山田)を位置づける。さらに今秋は育成ドラフトにも積極的に参戦する方向性も判明。昨秋まで阪神は4年連続で育成ドラフトでの指名選手はいなかったが、今秋は下位指名以降でも幅広く選手を見極めていく。糸原、長井…。金本体制2年目のチームを底上げすべく、ダイヤモンドの原石に照準を合わせた。

 ◆糸原健斗(いとはら・けんと)1992年(平4)11月11日、島根・雲南市生まれ。大東西スポーツ少年団で野球を始め、大東中から開星(島根)に進み、甲子園に出場した。明大では主軸を打ち、3年時にはベストナインに輝いた。15年から社会人野球のJX-ENEOSでプレーし、三塁を守る。昨夏は都市対抗に出場し、今夏も東芝の補強選手としてプレー。175センチ、78キロ。右投げ左打ち。

 ◆長井良太(ながい・りょうた)1999年(平11)1月15日、兵庫・神戸市生まれ。長田南小時代は真陽少年野球部に所属。長田中では軟式で捕手。つくば秀英で投手転向。腕の振りが柔らかく、球速はコンバート以来20キロ以上アップ。1年秋からベンチ入りし、2年秋からエースの本格派。昨秋、自己最速149キロを計測。家族は母と兄。183センチ、81キロ。右投げ右打ち。