雨ニモマケズ、大谷にも負けません。阪神からドラフト2位指名された富士大・小野泰己投手(22)が4日、岩手・花巻市役所を表敬訪問。上田東一市長(61)にドラフト指名報告と11日から始まる明治神宮大会への出場報告を行うと、ドッと場がわいた。「160キロを投げられればと思います」と思わぬ大台突破宣言。上田市長は「すごいね!」と意外なビッグマウスに笑った。

 猛虎魂が燃え始めている。最速152キロ右腕は明治神宮大会で「阪神から評価をいただいているので、他のドラフトにかかっている選手には負けたくない」ときっぱり。中日1位の明大・柳裕也(22)らの名前を挙げ、他球団のドラフト選手をなぎたおして日本一へ突き進むと意気込んだ。上田市長に贈ったサインボールにも「阪神タイガース」と書き込むなど、すでに虎の看板を背負う覚悟だ。

 花巻での1位を目指す。同市ゆかりのプロ野球選手では日本ハム大谷、西武菊池らが活躍。特に同い年の大谷に対抗心がある。「大谷も体が大きくなって球が速くなった。球速は数字に表れる。目標は大きい方がいい」と160キロ、165キロ超えへ強化を目指す。

 球速増加へ、パワーの源は地元の名湯だ。富士大でのリーグ戦中は毎週月曜日のオフに花巻温泉を巡り、入浴を日課にしていた。「上がった後はスッキリする」。肩までしっかりつかって疲労を抜いた。最後は詩人宮沢賢治の言葉の前で記念撮影。阪神入りの前に、明治神宮で「誰ニモマケズ」日本一を狙う。【島根純】