弘法にも筆の誤り? 西武中村剛也内野手(33)が、自主トレでの打撃練習中に珍しいミスをおかした。

 室内練習場で、打撃投手に依頼して球を打ち始めたが、2球目に異音が。「うわ、やっちゃったよ」。打席をあわてて飛び出した主砲の手には、ひびが入ったバットが握られていた。

 見守っていた辻監督は「おいおい、どうしたんだよ」と驚き顔。他のコーチ陣、スタッフも「珍しい」「初めて見た」と思わず顔を見合わせていた。それほどに、中村がバットを折るのは非常に珍しい。

 あるスタッフは「一昨年の春のオープン戦で、本塁打を打った後に『実は折れてる。見つからないように片付けておいて』と頼まれたことはあります。覚えているのはそれくらいです」と証言した。

 大半のスタッフは、その2年前の“事件”も知らない。「初めて見たかも」と驚くのもうなずける。中村本人も久々のミスに、しばらくは「あー、折っちゃったよ。くそー」と繰り返していた。

 実は前回の練習で、中村は上本から35インチ(約89センチ)のバットを借りてボールを打っていた。この日は自前の33・5インチ(約85センチ)のバットに戻していたが、2球目まで「長尺」の感触が残ってしまっていた。

 その分、無意識にバットの先の芯を外れた部分で、ボールをとらえてしまった。それがインパクトの異音、そしてバットの破損につながった。ちなみに中村がメーカーから年間に供給される試合用バットは15本ほど。ほぼ折れないため、新品を下ろす頻度は非常に低い。