西武十亀剣投手(29)が8回4安打無失点の好投で、今季初勝利を挙げた。最速149キロの直球で、ロッテ打線をぐいぐいと押し込んだ。完封こそならなかったが、8イニングを投げ「中継ぎの人を休ませられた」と満足げに話した。

 新任の辻監督から「先発は野上、十亀がやってくれるかがカギ」と期待されたが、開幕は2軍スタート。それでも「去年よりもいい投球ができているという感触はあった」と言う。今季、原点回帰で取り組んできた直球とカーブ主体の投球に、手応えがあった。この日もそれを貫いた。自然と結果がついてきた。

 西武は12日菊池を皮切りに佐野、ウルフ、野上、高橋光、そして十亀と6人連続で先発に白星がついた。これは07年4月5~11日以来、実に10年ぶりだ。開幕前は「先発の手駒が足りない」との下馬評があった。開幕後も火~木曜日の先発が、チームを勝利に導けない時期が続いた。てこ入れのため、先週から先発ローテが再編された。そんな難しい状況の中で、先発陣は最高の結果を出した。

 土肥投手コーチは「各自が自覚を持ってやってくれた」とうなずいた。チームは15年5月以来となる6連勝。貯金を4まで増やした。今日19日からはソフトバンク3連戦。辻監督は「これまでのようにはいかないところもある。初戦の菊池雄星に勢いをつけてもらいたい」と表情を引き締めた。【塩畑大輔】